無理やり褒めるより、上から怒るより、やってみて欲しいこと。

「子育てで大切なのはほめることです。」
「子どもは褒めなければ伸びません。」

ってよく言われるじゃない?うん、褒めるっていいよね確かに。
褒められるとみんななんか嬉しいし。それが歯の浮いたようなお世辞でも、わかっていてもやっぱり嬉しくなっちゃうものなんだよな。だから、褒めることは否定しない。

でも、褒め続けるのって難しいし、案外苦しいんじゃないかなぁとも思っている。
「褒めねば」で苦しんでいる親って結構多い。

例えば、

勉強をせずにゴロゴロしている子どもがいたとする。
学校に行かない。当然宿題もやらない。でも自分で勉強するわけでもない。
いつもYouTubeかテレビかSwitchの前にいて、のんびりゴロゴロ。

「さぁ、褒めてください。」

どうする?やってみよう。

「よくも飽きもせずのんびりできるね〜。」

これじゃ嫌味。

「頑張ってYouTube見てるんだね!偉い!」

そんな奴はいません。楽しんでいるだけ。

「コントローラーの振り方がエレガント!」

ちょっと何言ってるのかわからない。

わざと意地悪な書き方をしましたが・・・「勉強させなきゃ!」って思っている人が、この状態の子どもを褒めるのは難しいよねって話。

不登校を認めてあげたいけれど、子どもを受け止めてあげたいけれど、何にもしていないだけの子どもに見えてモヤモヤ。言葉にすると、全てが嫌味と小言になってしまって、どんどん子どもとの距離が離れていく。周りからは「もっと厳しく言わないとダメだよ!」とか「とにかく褒めるんだ!」とか言われて、どうしていいかわからなくなる。厳しくしたら子どもが暴れ始めて、厳しく言うこともできなくなって、腫れ物に触るように接してしまう。

全部気持ちがわかる〜!!もうめっちゃわかる。全て、目の前で見てきたことです。

家にいる親の気持ちはどんどんすり減っていくの。(多くはお母さん)

もう一度さっきの子の例を。

勉強をせずにゴロゴロしている子どもがいたとする。
学校に行かない。当然宿題もやらない。でも自分で勉強するわけでもない。
いつもYouTubeかテレビかSwitchの前にいて、のんびりゴロゴロ。

はい。これはまさに我が子。

だから全部見てきた。子の苦しみも、妻の苦しみも。

私が父親として意識してやっていることは2つ。
お手本ではないかもしれないけれど、紹介しておく。

① 子どもがしていることに興味を持つ

YouTubeは一緒に見たり、子どもが勧めてくれたチャンネルは目を通す。
Switchのゲームは早起きしてでも、やる。
休みの日に時間が空いたら、一緒にやる。

するとね、YouTubeの中で、子どもが学んでいることが見えてくる。
Switchによって成長している部分も見えてくる。

反射神経皆無だった娘が、器用に指先を動かして、敵を倒せるようになった。
これは成長だなぁって思う。

読むのが苦手だった息子が、いつの間にかゲームのテロップの文字をスラスラ読めるようになった。
これも成長だよねぇ。

「実況系YouTuberになりたい!」って言うから週末に一緒に動画作りをしてみた。
カメラが回っている前で、喋り続ける難しさを実感したみたい。
ゲームをしながら、実況し続けることの大変さに気がついたみたい。
それだって勉強だよ。

子どものやっていることを否定していたら、そんな想いさえ聞き出せなかった。

子どもが本にハマっていたら、同じ本を必ず読むの。
全部じゃなくていい。空いた時間にちょっとでいいからさ。
もちろん漫画でもいいよ。
「ワンピース」の中にも、「鬼滅の刃」の中にも学びは沢山ある。

で、読んだ本の感想をおしゃべりし合う。これって国語の授業だよね。

大事なのは、文章を読んで、それを言葉にすること。

何度も言うけど、全部やらなくてもいい。大人は忙しいしね。
でもちょっとやる時間ならあるはずなんだよ。子どもに怒っているその時間。
自分の興味を持っていることに、関心を示してくれるって嬉しいものなんだ。

ぬいぐるみ遊びが好きなら、一緒にやる。
戦いごっこが好きなら、一緒に戦う。

子どもが小さい時はそうしてきたよね。それでいいんだ。

② 「問い」を投げかける

親がちゃんと自分の状態を認めてくれていれば、子どもは安心して話せるようになる。
そしたら、少しずつ「質問」して行こう。

子どもが自分で考えるための、きっかけを作るんだ。何を質問したらいいかわからない時は、
「4W1h」で聞いてみる。(What、Where、When、Who、How)

あれ?Whyは?

Whyは難しいから使わない方がいい。

「何で勉強しないの?」

「どうして学校行かないの?」

これって全部、責めているだけだよね。
受け取る方が責められている気がしてしまう。
だからWhyは使わないでね。「なぜ」は危険。

「何が苦しい?」「なにがやりたい?」 What

「どこに行こうか?」「どこで学ぼうか?」Where

「いつやりたい?」「いつからそう感じたの?」When

「誰と話したい?」「どんな人となら学べるかな?」Who

「じゃあどうやって実現しようか」「まずは何しようか」How

ここで大切なのは「場の設定をすること」と、「答えを誘導しない」ってこと。

「ちょっとだけ時間ちょうだい。話そうか。」って普段の活動と分ける。ゲームのついでに聞かない。ご飯の時間とか、一緒にお風呂に入っている時間ならいいかもしれないけれど、ご飯とお風呂を楽しむのも大切だと思う。

そして、聞いたからには、全ての答えを受け止める。どう答えようが相手の自由。
質問しておいて、答えを訂正すると、もう2度と答えたくなくなるからね!

「なんでも話してね。」って言いながら、話すと説教する人いるじゃない?

だから話したくなかったんだよ!ってなるよね。学校の先生にもめっちゃいる。

どうしても自分の意見を伝えたい時は、

「私からはこう見えるんだけど、あなたはどう思う?」

って伝えよう。あくまでも、自分から見たものですよってのを伝える。
その上で、子どもの意見を聞くの。

楽しみながらやってみるのが大事。
楽しい時間なら、子どもは喜んでやるよ。
説教タイムなら、子どもは必死で逃げるよ。
できるだけ、子どもに沢山話させてあげて欲しい。
説教は必要ないからね!!

親も喋りたいのなら、子どもから質問を受け付けるのもいい。
子どももどんどん親に質問したらいい。親も真剣に考えて答える。

そうしているうちに、考えが整理されていくんだ。

娘の場合、質問をしていくうちに

「学校の、全員が同じことをやらされている感じが嫌だった。」

「YouTubeとかゲームだけじゃダメかなぁとは思っているけれど、どうしていいかわからないし、とりあえずやることないからやってる。楽しいからやめられないのもある。」

「学校に行かなくても幸せになれるって思ってる。具体的にどうしたらいいかはわからないけど、でもきっと幸せにはなれる。でも、そのための努力って言われると、辛くなる。何したらいいかわかんないし。辛いのは嫌。」

「マンツーマンなら勉強もしやすいかもしれない。」

「でも、ママと勉強するのは嫌。いろいろ言われてやる気がなくなる。」

と少しずつ整理されてきた。

だから一緒に、オンラインの家庭教師を探すことにした。パソコンを開いて、検索して、出てきた先生方の中から、娘が興味を持った人を選ぶ。こちらからアドバイスはしない。(パソコンの操作補助くらい)

「この人と、この人と、この人がなんか良さそうな気がする。」

「じゃあ体験やってみる?」

「うん。」

うまく行かなくてもいい。でも自分で決めたことだから引き受けられるよね。

全ては試行錯誤。親だって初体験だもの。失敗してもいいんだ。
今はオンラインのカウンセラーさんも沢山いる。それはもう沢山いる。
オンラインのフリースクールだって、家庭教師だって、教材だって選び放題だ。
どうしても親ができなそうなら、外にある手をどんどん頼ったらいい。

まずは隣に寄り添うこと。
次に、子どもの答えを引き出すこと。
そして、それを受け止めること。

まずはここから始めよう。

コメントを残す