「怠け者」が不登校になるわけじゃないよ。

働き者か、怠け者か。

日本の労働の価値観ってこの辺で測られてきた気がするよね。

働き者か、怠け者か。

働き者のアリがえらくって、怠け者のキリギリスはダメ。

働き者のカメがえらくって、怠け者のウサギはダメ。

好きな音楽に打ち込むキリギリスも、途中でちゃんと休みを取るウサギも、すっごい大事だと思うんだよね。
休まず働くアリには、キリギリスの余裕が必要なんだと思うんだよ。コツコツ頑張るカメも、時には休んでいいと思うんだよ。

アリも、キリギリスも、カメも、ウサギも、みーんな素晴らしいし、全部持ってていいよねって話なんだよなぁ。

よく働いて、好きなことに打ち込んで、コツコツ諦めずに、しっかり休みを取る。

アリギリカメウサギ。

ソウイウモノニワタシハナリタイ。

おはようございます。にっしーです。

今日はね「怠け者」について語るよ。それはもう熱く語るよ。

なぜなら・・・私は「怠け者」だから!!!

コツコツと続けるのとか無理。
日常の細かいことにしっかりと目を配り、コツコツと努力を続ける人を私は尊敬しています。尊敬していますが、別に自分自身がそうならなきゃとは思っていません。我が子にも、「そうなりなさい!」とは指導しません。いや、そりゃぁ目指したこともありますよ。でもね、散々目指したけど無理だったんだよ〜。あるとき気が付いたの、「ウサギがライオンを目指しても無理じゃん!」ってことに。同じように「ライオンもウサギにはなれないよね!」ってことに。つまり、私は私なりに良いところを発揮すれば良くって、他のものを目指す必要は何もないんだってことなのだ。何より・・・

怠け者には怠け者の良いところがあるんだ!!

っていうか純粋な怠け者なんて世の中にはいないんだ!!

そう声を大にして言いたいわけです。

不登校に関わり始めてから、一番見る言葉がさ

「うちの子はただ怠けたいだけ、甘えたいだけなんじゃないか。」

ってセリフなんですよ。

「怠けたいだけだろ!!」

これ、子どもからしたらしんどいよなぁ。
学校で働いていますが、怠けたい心なんて学校に通っている子の中にもたくさんありますよ?言ったら教員の中にもあるし、あなたの中にもあるんじゃないかな?嫌なことやるのって誰でも嫌だもん。でもね、それでも学校に通うこと、学校に通わない子がいるんだよ。人は誰しも、怠けたい心も、頑張りたい心も持っているんだよ。だからね「怠け心」を叱られると、誰でもギクッとするし、「怠けたいだけなのかなぁ」って思っちゃうんだよ。

学校に行けるか行けないか

それは「怠け心の差」じゃないんです。
いや、むしろ・・・

面倒くさいことが嫌な子は、普通に学校に来ます。

休むのって面倒くさいんだよ。
友達に何を思われるか想像しなきゃならないし、先生にいろいろ言われそうだし、面倒くさいの。

宿題やらないのだって面倒くさいからね。だから、「面倒くさい天秤」に「宿題の面倒くささ」と「やらない面倒くささ」を乗せて、やらないのも面倒くさいよなぁってやるわけ。

(だから機械的に宿題を出すのも、罰則を与えて縛るのも、大っ嫌いです。面倒くささを判断基準にすることは、教えるべきではないと考えます。)

何が言いたいのかというと・・・

学校に行かない、もしくは行けないっていうのは

「怠け心」や「面倒くさい」を超えたところにあるってこと。
それだけじゃないんだよ。そこには必ず理由と苦しみがあるの。

本人は悩んでいるし、苦しんでいるんだよ。
だって、日本の常識が「学校に通うこと」にあるんだもの。

「俺はみんなと違うんだろうか」「私は怠け者なんだろうか」

そういう思いは絶対にある。
自分自身への肯定感や自信が揺らぐ瞬間っていうのかな。

そこに「怠けているだけだ!」「甘えているだけだ!」って言われてもさぁ、「そうだよな」ってなってズドーンと落ちてね、「怠けることも、甘えることも、許されないんだよな。」ってなってさ、自己肯定感木っ端微塵になるだけだよ?

無理して無理して潰れるか、部屋に閉じこもって逃避するかしか選択肢がなくなるんだよ。

「怠け者!」

という前にさぁ、話を聞いてあげて欲しいんだ。
学校を休みたい気持ちを理解してあげて欲しいんだ。

「そっか。休みたいんだね。わかったよ。」

そうやって受け止めてくれる人が欲しいんだよ。
学校は、学校を休むことを受容しにくい場所です。学校だもん。「不登校を出さないように」教育委員会から指導されている学校も多いです。教員による考え方の個人差もあります。受容してくれる担任に当たったら運がいいと思う。

だからまずはさ、親が、子どもを理解してあげて欲しいの。

不安なのはわかるよ。わかります。
「キリギリス」と「ウサギ」はダメだって、親も教わってきたんだもの。
子どもがバッドエンドになっちゃうんじゃないかって不安になるよね。

でも、アリカメしか許されない世の中じゃ生きていけない子どももいるんだ。アリカメだらけの世界も、それはまたバッドエンドだと思う。みんな過労死しちゃうよ。

私は、生来の怠け者です。

同じことが続いたことがない。ミスター三日坊主です。

毎朝走るって決めては断念し、断念してはまた決めて、結局お腹はポテっとしたままです。

興味を持ったら何にでも手をつけるけれど、全然続かないので、自慢できるほどじゃない特技がいろいろあります。

好きなことは馬車馬のように取り組むけれど、嫌なことは全然できません。隙があればすぐ休みます。

バランスで言うと・・・

アリ    2
キリギリス 4
カメ    1
ウサギ   3

くらいだと思う。

アリアリキリキリキリキリカメウサウサウサギくらい。(なんのこっちゃ)

でも、そんな自分を丸ごと認めてくれる親がいたから、救われました。
そんな自分を丸ごと認めてくれる人生の先輩がいたから、前に進めました。
足りない自分に満足していると、人は前に進めるんです。

うちの娘は自信のない子どもでした。

「私なんて全然ダメだよ」

どんなに褒めても、そうやって否定してきました。だから親としてはいつも心配していました。

書くのが苦手で、素早い作業が苦手で、集団に合わせるのが苦手な我が子は、学校の文化に馴染めなくって、それでも学校では「よそ行き」の顔で必死に頑張ってきました。親はひたすらお尻を叩いてきたような気がします。

でもね、「学校はもう行かない」って決めて

その選択肢を受け止めて

彼女自信の選択を応援している今、彼女の顔には自信がみなぎっています。

「私はダメじゃないんだ。学校に合わなかっただけなんだ。」

「足りない自分のまま、できることがあるんだ。」

それに気が付いたのだと思います。

怠け心はあってもいい。でもそれは、不登校とは関係がないよ。

「学校に合わない」子どもはいる。

学校に通わなくたって、
自分の強さも弱さも認められれば、前に進めるんです。

そのためには、強さも弱さも丸っと認めてくれる他者が必要なんです。

あなたの子どもにとって、それは誰ですか?

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